― お守り ―
楽しい時も、苦しい時も 君は変わらずそこに居た。 喋り動くことはなくとも いつも変わらずそこに居た。 嬉しい事も、辛い事も 映してみせる、そんな君が 好きだった。 |
― 星 ―
月と陽が昇るあの向こうへ、 土産を持っていつか帰る。 別れの時も、別れた後も、寂しくないよう 繰り返し、君と朝と夜に触れながら 眠らない、夢をみる。 |
― 日廻り ―
姿を消した、君を探しに行ける自由。 繋ぐ事の出来ない不自由が、日々を活かす。 今度は貴方が、昨日の私を捕まえて。 |
― 終点 ―
答えが出れば、終わってしまう。 君との旅も続けるなら 迷うくらいが、丁度いい。 |
― 正体 ―
憂鬱なのは、 その問いに答えが無いからでもなく、 独りでも、二人だからでもなく、 借りた本と映画が悲惨だったからでもなく、 たぶん。季節の変わり目だからだ。 |
― 幽玄の価値 ― はじめて、 鏡の中を見たとき 君の名を想像したとき 物が壊れる事を知ったとき 僕は、生きて行くことを決めた。 |
― 瓦礫の王様 ― 今日に立つ、 僕自身が終わらない謎。 これほど危険で どれより面白い問題なんて ほかに無いね。 |
― 沈まない太陽 ― 高い壁に心は躍り 向かい風でハートに火が付く。 理由などそれで十分だ。 甘く切ないアイスが溶け切る前に 私はきっと、向こうの空を獲って来るよ |
― 回転率 ― 周りは割りとやさしい。 立ち行かないカラクリも どこかで誰かが改良してる。 今日も昨日も、君が喋りにやって来る。 笑い怒りながら明日もきっと。 世界は割りと、僕らに優しい。 |
― 写生 ― 読めるだけの本を取り込んだって 自分の名前がわからないなら いっそ僕を本の中に閉じ込めて 誰かが読んでくれたら 面白いのに… |
― トレイン ― 何も感じない訳じゃない 君は平気な振りが上手いだけ。 だけど私は知らない振りで このまま一緒に、この勢いで 約束の場所へと駆け抜けたい |
― 遭遇 ― 自分の中の異星人 ファーストコンタクトでしくじった。 逃げる影を追いかけ、捕まえたなら たとえば、 会話もできるだろうか? |
― 保護 ―
風が怖いと、時計が怖いと、月が怖いと 君が泣く。 扉を閉じても、時を止めても、あの、月を消しても 君は泣きやんでくれない。 守りたいのに…。 君が何を言っているのか 僕は、…解らないんだ。 |
― キキミミ ―
きこえない声を聴くため耳を澄ます。 音の波を掻き分けて 隠した言葉を知る為に。 届け物を受け取る為に。 言えないものを、視る為に。 |
― 未練 ―
今ここに立っているだけで 知らない明日を潰してるって、本当は知ってる。 別れた未来を埋める為、 それに似た過去へと思いを馳せて 気付かぬ振りをしてるだけ。 |
― 穏やか ―
つまんない位の当たり前が 緊張感ない眠りへ私を誘う。 そんな 続きのあるような気がする安心感。 いつまでも… |
― 目覚め ―
その目に映せ、終りと始まり。 変幻自在のこの世の中を 現実へと、変えてく為に。 |
― 朧 ―
遠くから喋っても、聞こえないよ。 姿を見せたら信じてあげる 目覚める前に もう、少しだけ。…待っているから。 |
― 0.5 ―
せっかく同じ夢が見れたんだ。 これから先、 何を分けたら楽しいだろう? |
― カタリ ―
使い捨ての嘘と一緒に 渡って歩く。 世界が、俺の為にあるように。 |
― 足跡 ―
巻き戻すように、早送るように、繰り返すように。 それは開く事も、閉じる事も自由自在。 変わらず、色あせず、終わる事なく続いてく。 君の中に、僕の中に、貴方の中で。 辿りなぞれば、いつまでだって響いて消えない。 |
― 創造主 ― 独りでいたい だけど一人はつまんない 手当たり次第に種を捲いて 何かが育つ事を待っている |
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