冷凍庫。

主にそろそろ賞味期限切れかなー、どうかなー…、というものたちが詰まっております。
ものによっては、いずれまた再調理される可能性もあったり…、なかったり。


― 花日 ―


最初から、

終わってしまうのは分っているのさ。

意味が無いと、

ささやく声も聴こえているのさ。

それでも。それでも、放つ香りが、色が、形が、

これでいいと、愛を振り撒く。

散らない華を握るボクは偽者。

いっしょに歌おう?明日?明後日?

イマが、枯れるトキまで。

― 二人以上 ―


一人じゃなかったって、思って安心したその後に

自分が独りだと思っていた事に驚いた。

誰かが僕を見つけて、

君が言葉を教えて、

手を繋いで一緒に眠った。

何でだろう?

一人じゃなかったって、安心したその後に

自分が独りだと思っていた事に驚いた。
― 羊 ―


知っているのに、知らないふりをするのは

こころがツライって、きみがいった。

だけどぼくには、

知らないのに知っているふりをする心の方が、

罪深いような気がしてならなくて。

― 気持ち(1) ―


君が好きなんだ。

とてもとても、良く、わからないほどに。

好きが過ぎて、もしもキライになってしまったら

どうしようかと思う。

明日も、変わらぬ自分でありますように。

君が君で、ありますように。
― 月下美人 ―


僕が在っても、無くても、

君はこれからいつも、泣くんだろう。

もしも想い出をやり直せるなら、忘れてしまえば簡単だ。

初めて会った時から順番に。

怒りも傷も、忘れてしまえ。

傷跡だって始めから無かったみたいに。

僕が歩いた足跡全て。生きてた痕跡を余さず消して。

出会ったときみたいに笑って欲しい。

寂しい種など蒔きたくない。

悲しい花なんて咲かなくていい。

泣かないで。
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