― 悲喜劇 ―

撃たれた鳥に

心重ねて嘆いたなら

今夜はとびきりの御馳走を。

正義の標に導かれ、

忘却の中に罪を置いて歩けば、

今日も世界は美しい。




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― 天地 ―

天を裂くような、君の叫びを聴いた気がした。

その怒りは、僕の身を震わせ

一瞬、名を思い出させたような気もしたけれど、

振り向かず、地を歩くように這い続ける。

そして君は、いずれ天に手を伸ばし、届き触れるのだろう。

叶うならば、そんな夢が良い。

僕は、ひたすらに、地を、裂きながら。

どれほど目を逸らし続けても、

夢は、要らない。



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― 葬創 ―

消えゆく際には、どうしてこんなに

覚えていて欲しいと思うのだろう。

キミに。

歓びすら、誰かと分け合いたくなってしまう僕らは何処まで淋しい。

こたえが欲しくてたまらない。

痛みに怯える心を捨てて、

飛び込め飛び込め。

ボクがボクで在るということを。

ボクがボクで在るといううちに。



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