― 種 ―

やさしい方がラクなんだよ。

誰にも言っていないけどね。

やさしい方がイタイんだよ。

誰も言わないけどね。

いつもの席の斜め前、

なにも知らないままの本当は好きなきみが、

いつも嫌いで。





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― 落日 ―

いいじゃないか。

たとえあの空が落ちてきたって、

別の星は生きている。

そんなに騒ぐ事じゃない。

…だけど、

他人も自分の命も消費して、

それでも笑っていられる君ならば、

最後の瞬間も生きようと、するのかな。




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― 天辺 ―

無神経な青い天

魂閉じ込める蒼い檻、

陽が照らす憂鬱振り払って

何も知らない向こう側へ。

近づきたくて、脱け出したくて。




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― なげやり ―

ナゲヤリに投げやって、

どうせ明日には取りに行く。

だから適当。

あまりなげてやらない方向で。





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― スミレ ―

約束はいらない。

同じ月を愛して、隣に居たんだ。

探さないで、追いかけないよ。

欠けたぶんまで、想っているから。




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